失敗したくない!
人工芝でお庭をドッグランにする方法
最近、公園や街中に愛犬と遊べるドッグランが増えてきました。そこでよく使われているのが人工芝。見た目も自然な風合いに近づいてお庭にもよくなじみます。天然芝と違って、お手入れが不要で土汚れもしにくいなど、メリットがたくさんありますので、「自分のお庭に人工芝を敷いてドッグランにしようかな」と考える方も多いのではないでしょうか。
一方で、「こんなはずじゃなかった、、」という失敗談も多く伺います。人工芝のドッグランで素敵なお庭をつくるために、ありがちな失敗例と、その解決策をご紹介します。
1、人工芝のドッグランでよくある失敗例
(1) 完成時
凸凹になってしまった
「人工芝は敷くだけで簡単」と誤解していると起こりがちな失敗です。人工芝を敷く前に、雑草や石を丁寧に除去し、路盤を平らに固く整地する必要があります。
(2) 使ってみて
めくれてくる
歩いたり遊んだりするうちに人工芝がめくれてしまうのは、人工芝の固定が不十分な場合です。人工芝がめくれると、つまずきや転倒の原因になり大変危険です。人工芝はピンや接着剤で固定する必要があります。
夏は表面が熱くなって遊べない
人工芝は天然芝と異なり水分を含まないため、表面の温度が上がりやすい性質があります。そのため、夏の晴れた日に直射日光を受けると、人工芝の表面が熱くなり愛犬を遊ばせられないケースがあります。遮熱性能のある人工芝を選ぶほか、水まき、日よけタープを組み合わせるなど、対策を考えておく必要があります。
静電気が発生する
「人工芝にしたら、静電気がひどい」という場合は、人工芝はポリエチレンやポリプロピレン製ですので、静電気が発生しやすい特徴がありますが、帯電性に配慮した商品を選ぶことで、軽減することができます。
じめじめしてしまう
「人工芝を敷いたけど、いつも水がたまってジメジメする」そんな場合は、まずは、選んだ人工芝にちゃんと排水の穴があるか確認しましょう。人工芝自体に問題がなければ、路盤の排水に問題がある場合が多いです。もともと雨がたまりやすい場合は勾配をつけたりして人工芝を敷く前に対策をしておく必要があります。
(3) しばらく使ってみて
雑草が生えてきた
「雑草対策になると思ったのに、隅っこや継ぎ目から雑草が生えてきた」施工を丁寧に行わないと隙間が残り、隙間から雑草が生えてきてしまいます。人工芝の下には防草シートを敷いて雑草を防ぎます。
匂いが気になる
「愛犬にお庭でおトイレをさせていたら、人工芝が臭くなってきた、、」 人工芝は、土のように排泄物を分解することができないため、放置していると時間とともに匂いが蓄積してしまいます。愛犬が人工芝に粗相をしてしまった場合は、時間を置かずにすぐに水を流すようにします。愛犬にはトイレの場所を決めて教えてあげる準備が必要です。
擦り切れてきた、毛がペタンコになってきた
耐久性が低い人工芝を選んでしまった場合、すぐに毛がつぶれたり、抜けてくる場合があります。安価なもので一時的に使用するような薄手のタイプは、愛犬が遊ぶお庭には向きませ ん。
バーベキューをしたら、人工芝が溶けてしまった
愛犬仲間と、バーベキューパーティーをしたら熱で人工芝が溶けてしまった、、」人工芝は火に弱いため、バーベキューや花火 はできません。人工芝のドッグランとは別に、火に強い敷石やタイルなどの素材でテラスを作っておくのがおすすめです。
2、どうすればいい? 人工芝でドッグランを作るポイント
失敗例でご紹介してきた通り、失敗の主な原因は、ドッグランに適した人工芝が選べていないことと、施工方法が間違えていることによるものです。その後のお手入れの方法もあわせて、人工芝のドッグラン作りのポイントをご紹介します!
(1)ドッグランに適した人工芝を選ぶ
結論から言いますと、おすすめの人工芝は以下の2種類です。ドッグラン用のものと毛足の⾧いタイプがあり、お好みと用途で選べます。
愛犬用の人工芝 メモリーターフ AG20
カールした糸が密に絡み合い、念入りに手入れされたゴルフ場の天然芝のような質感が再現された人工芝です。
メリット
程よく固い感触なので走りやすい。ドッグスポーツ(アジリティ競技)での使用も考えてつくられた、ドッグランに適した人工芝。
デメリット
芝糸の見た目の質感は好みが分かれる。
お庭の景観とドッグランを両立できる人工芝 メモリーターフ
ストレートの芝糸と根本の枯れ色を組み合わせて、自然に伸びた芝生の雰囲気を再現した人工芝。
メリット
遠くから見ても近くから見てもリアルに感じられる仕上がりを目指しています。お庭の景観として、自然な雰囲気が人気。
デメリット
フワフワとした感触が柔らかすぎると感じる場合がある。
耐久性が高いか
ワンちゃんが走り回るので、簡単に破けたり摩耗したりしない丈夫な素材で、一度施工したら、何年もきれいに使える耐久性のある人工芝を選びましょう。
人工芝はポリウレタンなどのベースの布に芝糸が縫い込まれたカーペットのような構造です。ベースの布に厚みがあり頑丈なものがおすすめです。また、裏面がコーティングされていると芝糸が抜けにくくなります。屋外に置くものなので、紫外線対策がされたものを選びましょう。
- ・ベースの布が丈夫
- ・芝糸が抜けにくい
- ・紫外線で劣化しにくい
毛足が倒れにくいか
何度も踏み歩く場所では、芝糸が倒れがちです。⾧くきれいに保つためには、芝糸の密度が高く、芝糸自体に形状記憶や強度を上げる構造になっている物があります。
- ・密度がある
- ・芝糸が倒れない工夫をしている
衛生的か
愛犬が直接触れて遊ぶ場所ですので、衛生的に保てることが大切です。防臭加工、防カビ加工がされていると安心です。また、排水の穴がしっかりあいているものであれば、カビの元になる湿気を防ぎ、匂いの元になる愛犬の排泄物を水でしっかり洗い流すことができます。
- ・防臭機能がある
- ・防カビ機能がある
- ・排水が考慮されている
自然な雰囲気か
枯れた色の芝糸を混ぜた本物のような風合いを再現したものがありおすすめです。また、陽が当たった時に自然なツヤがでるかも大事なポイントです。
- ・本物に近い色合い
- ・光が当たった時の自然なツヤ
(2) 正しく施工して、きれいに⾧持ちさせる
路盤を整える
人工芝の仕上がりは路盤の凹凸の影響を大きく受けるため、路盤調整が重要です。まずは表面の雑草を撤去し、土が柔らかい時は沈下を防ぐために転圧します。路盤を丈夫にして透水性を上げるために砕石を敷き、もう一度平らに転圧します。
- ・平らで凸凹がないこと
- ・固いこと
- ・水はけがよいこと
雑草防止シートを敷く
雑草の発生を防ぐため、防草シートを敷きピンで固定します。端は特に雑草が発生しやすいため、ピンをこまめに打ち、端が余るぐらいに敷き込みます。
人工芝をはる
芝糸には向きがありますので、自然に見える方向に揃えて敷きます。
芝の生え際にピンを打ってしっかりと地面に固定します。
継ぎ目も丁寧に
人工芝は幅約1mのロール状になっているため、広い場所に張る際は、継ぎ目が浮いたりめくれたりしないように、接着剤で裏張りしてぴったり継ぎ合わせます。
(3) 汚れてしまった場合もお手入れは簡単
基本的にはお手入れは不要ですが、汚れてしまった場合は簡単に清掃できます。
落ち葉やほこり
落ち葉やゴミが気になる場合は、ホウキで掃除し、ほこりがたまっている場合は掃除機で吸い取るのことができます。
飲み物をこぼしてしまった場合
たっぷりの水で洗い流してください。
(4) 愛犬のおしっこの匂いを防ぐには
愛犬が人工芝の上でうんちやおしっこをした場合は、うんちは除去したうえで、時間をおかずにたっぷりの水で洗い流してください。⾧く時間を置くと匂いが残る原因になります。水で地中に浸透させて分解させるため、ホースなどで充分な量の水を流します。
もし、お庭を愛犬のおトイレとして使っていきたい場合は、おトイレにする場所を決めて、愛犬に教えてあげてください。
3、お庭ドッグランにしてよかった!改めてメリット紹介
毎日、気軽に遊ばせてあげられる
普段はお部屋で過ごすワンちゃんたちですが、お庭にも出られたら、遊ぶ場所が増えて嬉しいですよね。走る以外にも外の風を感じながら日向ぼっこが好きなワンちゃんもいます。
しっかり走ってストレス解消
走るのが好きなワンちゃんは、お散歩だけじゃ遊び足りない時もあると思います。そんな時にお庭がドッグランなら、お散歩の後に、お庭で遊んであげることでストレス解消にもなります。
他のワンちゃんを気にしないで遊べる
他のワンちゃんとケンカをしてしまったり、怖がってしまったり、外のドッグランは楽しいですが、気遣いも必要です。お庭ドッグランなので、ワンちゃんもお客様も気軽に過ごせるのが魅力です。
4、施工事例 人工芝のドッグラン
Case1
人工芝でお庭を愛犬のドッグランにリフォーム。日よけ付きのウッドデッキで快適に
東京都杉並区 S様のお庭
ご要望
2頭の柴犬を飼い始めて、ご自宅で過ごす時間が増えたことをきっかけに、お庭を全面的にリフォームするご相談を頂きました。
プランのポイント
人工芝のドッグランは、柔らかくお手入れもほぼ不要で、緑のある風景も楽しむことができます。ボールやフリスビーをして遊んだり、じゃれあったり、元気なワンちゃんたちの大好きな遊び場になりました。
ダイニングの掃き出し窓の前には、ゆったり広めのウッドデッキを設け、頭上にはたっぷり出幅のあるオーニングを設置しました。デッキや室内に差し込む熱い日差しを和らげてくれます。
Case2
通路にも人工芝を敷設して、全体をドッグランにリフォーム
神奈川県横浜市青葉区 N様のお庭
ご要望
フェンスの老朽化や植栽のお手入れが大変になってきたことをきっかけに、お庭のリフォームをご依頼いただきました。せっかくリフォームするのであれば愛犬と遊べるお庭にしたいとのご要望でした。
プランのポイント
主庭は人工芝を敷き広々としたドッグランになりました。家の周りの通路は、雑草のお手入れが大変なわりには用途がなく、何か有効活用したいとお考えでした。そこで主庭の人工芝を延⾧し、ワンちゃんが建物の周りをぐるりと回って遊べるドッグランにリフォームしました。日陰がひんやりと涼しく初夏にはぴったりの遊び場所です。
Case3
ゴルフのパッティンググリーンもある、人工芝のドッグラン
神奈川県川崎市多摩区 M様のお庭
ご要望
芝生をはじめ大きくなってきた庭木のお手入れがとても大変になってきたこと、目隠しの生垣が弱って隙間があいてきたことにお困りで、まとめてプロに依頼しようと思い立ちご相談を頂きました。
プランのポイント
お手入れが大変な庭木と芝生を撤去して、フェンスと人工芝にリフォームすることで、管理の大変さから解放されました。チワワのふーちゃんは、お天気がいいと朝から窓をひっかいて外に出たいとアピールするそう。リビングの窓を少し開けてあげるとウッドデッキのステップを自分で降りて、人工芝のお庭を散歩したり、ウッドデッキでお昼寝をしたり自由に過ごしているそうです。毛足の短い人工芝で、ご主人様が遊べるゴルフのパッティンググリーンも設けました。